(現歴史館館長) 大学史資料センター所長 渡 邉 義 浩(文学学術院教授)(現 早稲田大学歴史館東伏見アーカイブズ)(3)出版・刊行事業『早稲田大学史記要』:年1回、発行しています。2021年度は、第53巻(A5判、164頁)を発行し、また、Web(図書館運営の「早稲田大学リポジトリ」)で公開しました。同巻には、論文2本と、展示等の記録、『早稲田大学百五十年史』の編纂と聞き取り記録などが掲載されています。(4)自校史教育の展開①「早稲田学」:2021年度も、グローバルエデュケーションセンター設置科目として「早稲田学」を開講し、学生に対して早稲田大学の歴史を講義しました。クォーター科目として、2021年度は、『「早稲田学」通史編α(近代史のなかの早稲田大学)』(春クォーター、登録者84名)、『「早稲田学」通史編β(現代史のなかの早稲田大学)』(夏クォーター、同74名)、『「早稲田学」人物編α(「創設者」大隈重信の生涯)』(秋クォーター、同142名)、『「早稲田学」人物編β(建学者の思想と学生へのまなざし)』(冬クォーター、同142名)を開講しました。また、早稲田大学校友会支援講座の『早稲田を知る2』(夏クォーター、同201名)も開講しました。②新入生向け教育プログラム:オンデマンド講義「わせだライフABC~充実した学生生活を送るために~」のテーマ「早稲田大学の歴史」を担当しました。(5)百五十年史編纂事業2021年度は、新型コロナウイルスの影響を受ける中ではありましたが、第1巻の刊行を具現化すべく原稿の執筆・編集の進捗をはかり年度末に刊行に至りました。また、すでに第2巻の構成案の検討をすすめています。データベースの構築・公開も、コロナウイルスによる影響はありましたが、早稲田人名データベース、『早稲田学報』記事データベースなど、既存のデータベースの拡充をはかり、さらに、「「早稲田」の歴史総合データベース」・「早稲田150年の歩み掲示板」など、新規データベースのシステム構築を前年度から引き続いて進めました。例年開催している「大学史セミナー」については、2020年度に引き続き、コロナウイルス感染拡大防止の観点から、開催を見合わせました。(6)共催・協力事業各地域・団体の要請に応える協力事業として、例年講師を派遣している佐賀市大隈重信記念館の「大隈祭」(5月に実施)は、2021年度、新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小して開催されたので、例年のような講師の派遣は行いませんでした。しかしながら、佐賀市大隈重信記念館常設展示の展示パネルと館内放映、令和3年度夏の企画展「義足と戦傷病者」、トークイベント「国立駅南口駅前広場ウンチクあれこれ」投影資料、大隈重信没後100年・鉄道開業150年記念特別展「陸蒸気を海に通せ!」展示パネル、令和3年度佐賀市大隈重信記念館企画展「大隈重信の円と縁~円の誕生と郷里佐賀との縁」展示パネルなど、開催されたものについては協力できました。09大学史資料センターは、早稲田大学の歴史、創設者大隈重信および関係者の事績を明らかにし、これを将来に伝承するとともに、比較大学史研究を通じて、本学の発展に資することを目的としています。さらに、「早稲田学」を開設して大学教育の一環としての自校史教育を担い、百五十年史編纂事業の事務局として、その中心事務を担当しています。2021年度には、以下に記載する業務を大学史資料センターとして行ってきました。2022年度以降は、大学の組織再編に伴い、大学史資料センターは展示施設を持つ歴史館(早稲田キャンパス)とこれまでのセンター機能を継承する東伏見アーカイブズ(東伏見キャンパス)からなる「早稲田大学歴史館」として新たにスタートをいたします。今後も変わらぬご支援をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。(1)資料の収集・整理・保存・公開とレファレンス本学の文書および本学関係者に関する資料を収集・整理して、保存・公開を進めています。2021年度は、個人・団体からの寄贈43件(615点)、本学各箇所からの移管4件(473点)がありました(新収資料の合計は1,088点)。刊行物・テレビ等メディアからの掲載希望や所蔵写真の使用に関する許可申請は2021年度も多数あり、それぞれについて可否を判断しました。高田早苗の多数の遺墨・遺品をはじめ、多くの貴重な資料を寄贈していただきましたことに、改めて厚くお礼申し上げます。また、移管資料には、キャリアセンターから移管していただいた就職ガイダンス等のイベント、求人情報や就職相談風景の写真及び大学職業指導研究会第二分科会研究会の写真とネガフィルム465点が含まれます。(2)企画展示・講演会等の開催例年は、早稲田大学歴史館の企画展示ルームで、年3回の企画展示(春季企画展・新収資料展・秋季企画展)を開催しています。2021年度は、早稲田大学百五十年史編纂出版準備のため秋季企画展を休止し、2回の企画展示(春季企画展・新収資料展)を開催しました。2020年度は、新型コロナウイルスの影響により、秋季企画展のみの開催(期間を短縮して開催)でしたので、春季企画展と新収資料展を2年ぶりに開催することができたのは喜びでした。①春季企画展例年、3月下旬の卒業式の時期から新入生を迎える4月下旬の時期にかけて開催しています。2021年度は、「学生たちのいる風景:写真の中の早稲田 1882-2021」を2021年3月22日から4月26日までの1か月間、歴史館企画展示ルームで開催しました(入場者数1,248人)。②新収資料展例年6月下旬から8月初めのオープンキャンパスにかけ、前年度に校友・大学関係者など、さらには一般の方から寄贈された資料の一部を展示するとともに、資料を通して本学の歩みを紹介しています。2020年度は、コロナウイルスの影響により新収資料展の開催が休止となったため、2021年度は、2019~2020年度の2年間分の受贈資料展として「資料に映る折々の早稲田」を6月25日から7月31日まで、歴史館企画展示ルームで開催しました(入場者数 2,629人)。ご挨拶大学史資料センターの動き(2021年)大学史資料センター
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