Annual_Report2021
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●参加人数 253名舞台やドラマ、映画で多くの音楽を手掛けている阿部海太郎氏は、2008年以降、演出家・蜷川幸雄が手がけたシェイクスピア作品の音楽を担当してきた。この講座では、作曲家としてどのようにシェイクスピアを読み、どのように蜷川の要求に応えた2020年の演劇界は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、数多の公演が中止や延期を余儀なくされるという未曾有の事態に直面した。最初の緊急事態宣言解除後、劇場の扉は開きはじめたが、誰もが薄氷を踏むような思いで苦境に立ち向かっていた。しかし、2021年の年明け早々、二度目の緊急事態宣言が発出。今日もなお世界はパンデミックの渦中にあり、かをテーマに、様々な資料やピアノの実演とともに語っていただいた。演出家との協働作業を通して舞台音楽が立ち上がるプロセスを作曲家の視点から考察していただき、刺激的な時間となった。誰もが当事者として、先の見通せない時代を生きている。本展は、リアルタイムで進行するコロナ禍下において、序盤戦ともいうべき演劇界の1年余を記録し、未来に伝えることを企図したものである。コロナ禍によって失われた公演や新たな表現の可能性に光をあてるとともに、過去の疫病や感染症を演劇がどう描いてきたかを示す館蔵資料も発掘・紹介した。講演会・シンポジウム展覧会坪内博士記念演劇博物館坪内博士記念演劇博物館142021年度シェイクスピア祭演劇講座シェイクスピアの音楽をかくこと――蜷川幸雄の現場から日時 ‌‌6月1日(火) 18:30〜20:30会場 ‌‌オンライン主催 ‌‌演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点講師 ‌‌阿部海太郎(作曲家)聞き手 ‌2021年度春季企画展Lost in Pandemic ――失われた演劇と新たな表現の地平会期 ‌‌6月3日(木)〜8月6日(金)会場 ‌‌演劇博物館2階 企画展示室主催 ‌‌演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点‌石渕理恵子(演劇博物館助教)●来場者数 5,191名

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