●来場者数 116名2017年6月の三越劇場で初演された新派版『黒蜥蜴』は、さまざまなバリエーションで上演を重ねてきたが、今回は「演劇博物館特別篇」として朗読劇に生まれ変わった。初演以降、視覚的愉悦に満ちた賑々しさでエンターテインメント性の高い舞台を提供してきた新派版『黒蜥蜴』は、朗読劇というかたちを得て、せりふと物語音声配信によるトークシリーズ「新派を受け継ぎ、つくること」第2弾。初代水谷八重子の娘である当代の八重子氏、初代の薫陶を受け、技芸を継承している波野久里子氏という現代新派の二枚看板にくわえ、長年国立劇場で歌舞伎や新派の制作に携わった後に新派等の研究をおこなっている神山彰氏をお迎えし、新派のさまざまなエの強度を改めて確認させられた。実際にその舞台を勤めてきた俳優陣の「言葉」に特化した表現、音の世界は魅力に富んでいた。機動性が高く、シンプルでありながら奥行きのある朗読劇というパッケージは、種々の空間に対応できる可能性を有しており、今後の展開が期待される成果となった。ピソードを語っていただいた。新派という演劇ジャンルがいかに形成され、変化し、今日にいたったのか。歌舞伎や新劇、新国劇など他ジャンルとの交流によって醸成されてきた新派の芸態や、個別の俳優、舞台等の思い出を縦横に語っていただき、新派史の証言としてきわめて貴重な機会となった。●再生回数 205回催し物催し物児玉竜一(演劇博物館副館長)212021年度秋季企画展「新派 SHIMPA――アヴァンギャルド演劇の水脈」関連公演朗読劇『黒蜥蜴―演劇博物館特別篇―』収録日 2022年1月21日(金)会場 小野記念講堂主催 演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点原作 江戸川乱歩脚色・演出 齋藤雅文出演 喜多村緑郎、河合雪之丞、河合誠三郎、河合穗積、斉藤沙紀音楽 新内多賀太夫2021年度秋季企画展「新派 SHIMPA――アヴァンギャルド演劇の水脈」開催記念ポッドキャスト新派の系譜を語る「新派の来し方、行く末」収録日 12月23日(木)会場 オンライン主催 演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点出演 水谷八重子、波乃久里子、神山彰聞き手
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